単に技術と知識を身につけただけでは、就職活動には万全とは言えません。本校では、1年次から毎週学習する「マナー実習」で、就職活動に対応した授業を展開。
履歴書の書き方から、扉の入り方、面接の実技指導まで、専門の先生が丁寧に指導しています。特に実技面は体で覚えることが重要。繰り返し実習を行うことで、就職活動を始める頃には万全の態勢が整っています。
自営和裁士として全国各地で活躍する卒業生を、学校がサポートする制度です。優秀な技術を活かして和裁で頑張っている卒業生も、地方によっては卒業してすぐには安定した収入を得ることが難しい場合があります。
本校では、「和裁士独立サポート制度」により、卒業生を1人の“プロ”として、学校が仕立物を斡旋することができます。この制度は全国どこでも利用することができます。
(株)高島屋、(株)千總、松竹衣裳(株)、(株)パールトーン、(株)山形屋、(株)日本きものセンター、(株)小大丸、(株)さが美、(株)ほていや、(株)やまと、(株)一蔵、(株)西尾呉服、(株)鈴乃屋、久保商事(株)、(株)京都紋付、(株)大磯産業、大進ホンダ(株)、(株)たちばな、(株)奥江呉服店、(株)キャラット、アトリエ ステディ(株)、中川政七商店(株)、(株)創琳、(株)イトー和装加工、(株)菱屋、(株)衿秀、松村工芸(株)、(株)ヤマノホールディングス、(株)ゑり善、(株)裳美苑、(株)圓堂、(株)幸和、(株)和光舎、(株)山口西光堂、大島紬美術館(株)、(株)ワールド・ヘリテイジ、(有)草紫堂、(有)松川調整所、(有)紫音、レンタルきもの岡本、夢館、京都きものレンタルはちみつ、式内社 日岡神社、学校法人吉川学園 など
※その他、卒業生の多くが和裁士として独立
※参考:2024年3月卒業就職希望者 就職率100%
京都の呉服問屋さん等から注文をいただき、滋賀にある実家で、「自営和裁士」としてきものの仕立ての仕事をしています。
私が通っていた「和裁特別専門学科」は全国でもめずらしい“和裁士を目指すための学科”。先輩後輩を含め大勢の和裁士と交流がありますが、家業と並行して和裁をする人、子育てをしながら和裁をする人など、みんなそれぞれ働き方のスタイルは違います。
自分の好きなように時間を使いながら、生涯を通して働き続けられることは、和裁士という職業の魅力のひとつだと思います。
最近は、徐々にきものを見直す動きがあるようですが、私としてはもっともっと日本人の“ふだん”の生活にきもの文化が溶け込んでほしいと思っています。
まずは身の周りの人たちに、私を通してきものに興味をもってもらうことを一番に考えています。
そのためにも、きものの素晴らしさをしっかり伝えられる和裁士になりたいと思っています。
「奈良きもの」を卒業後、教員として、同校で和裁の指導をしています。大好きなきものを扱う、高度な技術を身につけられる点に魅力を感じて「奈良きもの」に入学しましたが、それにしても、きものを縫ったこともなければ、着たことも1、2度しかなかった私が、今は教える側にいるなんて不思議な気持ちです。
和裁士という職業は、一つ仕上げる度に達成感ややりがいを感じられる、素晴らしい仕事だと思います。その魅力を伝え、そして、私が大好きな、この「きもの文化」を次世代へつなげていきたいです。
丁寧に指導しますので、ぜひ、興味のある方には学んでほしいです。
卒業後、実家のある岩手に帰り、絞り染めの製品を扱う草紫堂に入社し、呉服販売員として接客にあたっています。
紫根染や茜染は草紫堂でしか取扱いをしていないので、日本全国にいらっしゃるファンの方々のお手元に届くよう、岩手の店舗での販売だけでなく、時には東京や横浜での展示会へも販売に行っています。
「奈良きもの」の学生時代には多くのきものの絞りや染・織り・刺繍を見てきました。
そして、昔からこだわり続けてこられた職人さんたちの技により、これらがきものをより一段と華麗に、素敵に魅せることを学びました。今はこの紫根染・茜染の美しさと、その技術の素晴らしさを1 人でも多くの方にお伝えできるよう、お客様と接しています。
⇒南部紫根染・南部茜染 草紫堂ホームページ
大阪・神戸・滋賀にある呉服店「大阪大進」の中で着付け教室 雅-miyabi-の着付けアドバイザー(講師)を担当しています。
生徒さんは20代から70代まで年齢層がまちまちなため、1人1人に合わせた教え方・言い回しが必要で、なかなか難しい仕事です。人との繋がりを大切にできることが仕事の魅力でもあるので、お客様に着付けを通して心を開いていただき、着物をもっと好きになっていただけるよう、心がけています。
元々は販売員として入社したのですが、入社3年目から呉服店の中に着付教室を開設することが決まり、学生時代に着付の資格を取得していたことから、教室の講師に抜擢されました。
現在の職は「着付けアドバイザー」ですが、和裁をしていた経験が、生徒さんとの会話を膨らませることもありますし、着物での所作の指導など、学校で様々な力を学んだことが、今、本当に役立っているなと実感しています。
⇒大阪大進ホームページ
創業104 年の歴史を持つ、西尾呉服店の高槻店で店長を務めています。
店長の仕事は幅広く、販売員としてお客様に接客をしたり、仕上がった時のイメージを持ってもらうためにピンワークで着付をしたり、ディスプレイや店内のレイアウトを考えたり、「博多織産地品評会」などの催事を企画したり…と、試行錯誤しながらですが、充実の毎日です。
「きものの良さを広めたい!」と思い、呉服店に務めましたが、今、「和裁」の重要性を実感しています。例えば、お客様にきものをお見せする際、「実際に縫いあがった時、この柄はこの辺りに出てくるんですよ」といった、実体験に基づく説明ができるんです。
自分の好きな物、目指す道を高校時代に見つけられたことが、自分の人生にとって、とても良かったと思っています。
⇒西尾呉服ホームページ
大事なきものを水や汚れから守る「パールトーン加工」という撥水加工技術を持つ、(株)パールトーンで仕立部に所属しています。
全国から集まる反物をベトナムにある自社工場へ送るために、色柄・寸法・仕立て方などを決められた形式に書き換えた伝票を起こし、その伝票に基づいて輸出に関するデータを作成することが主な業務です。
仕立ての仕事はお客様と顔を合わせないところに難しさを感じますが、お客様からお預かりする着物一点一点に想いがあることを忘れず、仕立て上がった着物に袖を通す人の事を考えながら日々仕事をしています。
今の仕事に必要とされているのは和裁に関する知識です。専門学校で縫う技術だけではなく、見積もりから仕上げまで一貫して学べたことで、現在もお客様一人一人の体型や要望に合わせた仕立ての提案に役立っています。
着物の世界は奥が深いです。(株)パールトーンでは日本全国から着物をお預かりする為、着物の生地や、仕立て方に関する知識が学生の頃より遥かに深まりました。
これから和裁を勉強する方々には、専門学校でしっかりと基礎を身につけて、卒業後それぞれの道で着物の文化を守り、伝えられる人になって貰えればと思います。
⇒安心きものパールトーンホームページ
フォトスタジオに勤め、お客様への着付けはもちろん、メイク、スタイリング、撮影までを全て手掛けています。
ご家族の記念撮影、ブライダル、成人式、七五三など、お客様の大切な思い出を人生の中の1ページとして残す、とても重要で、やりがいもある仕事です。
最高のお写真を提供するためには、どんな着付けをすればいいか、帯結びは…、ヘアメイクは…、小物使いは…など、常にお客様の立場に立って考えています。
在学中の実習教材が本格的な反物だったので、生地の良さや仕立ての良さなど、着物を見る目が養われたこと、着物の歴史や、特に華道や茶道、マナーなど伝統文化も一通り学べたことは、今の仕事でかなり強みとなっています。お客様のお着物への愛着やこだわりなど、きちんと会話ができるので、「若いのに着物のことをよく知っているのね」と褒めて頂くこともあります。
⇒スタジオキャラットホームページ
卒業後、自営和裁士としての仕事を経て、岐阜県中津川市で主人と「着物&スタジオ 志のや」を経営しています。
呉服店としての販売だけでなく、現在では着付けはもちろん、ヘアメイク、ネイル、撮影までできるトータルフォトスタジオを併設した店舗で、成人式、七五三、お宮参り、ブライダルなど“一生残して頂ける写真までお手伝い”をさせて頂いています。
在学中に身に付けた技術はオリジナル衣裳作りに活かされております。呉服の仕事というのは、着られる本人様だけでなく、そのご家族や周りの人々にも感動して頂けるとても素敵な仕事です。志のやでは「幸せ作りのお手伝い」をコンセプトに日々楽しく仕事をしています。
⇒着物&スタジオ志のやホームページ
*仮名での掲載です