本校では、和裁実習に独自の「一貫システム」を採用。部分縫いを繰り返す授業ではなく、裁断から仕上げまで「和裁の全工程」を1年次より実習します。
どうすればそれぞれの体型に合った、着やすい「きもの」を仕立てることができるかを低学年次から常に考え、1枚1枚やりがいを感じながら実習することで、「オーダーメイド品」を扱うことのできる高度な和裁技術と知識を身につけます。
また、本校では「教材無料支給制度」により、自分では用意が難しい「高級オーダーメイド教材」も支給。学費面の負担を軽減しながら、一流の学習環境で高い技術力を修得できるシステムを確立しています。
1.裁断
他校では上級生が担当することが多い裁断も、本校では初年度から1枚1枚しっかりと修得していきます。
2.標付
寸法表を見て各部分に正確な寸法をしるし、これにより仕上がりが決まります。
3.縫製
袖作り、表身頃、裏身頃……と順番に、常に着る人の身になって、心を込めて縫い上げます。
4.仕上げ
できあがったきものをアイロン・こてなどで仕上げます。やりがいを感じる一瞬。この積み重ねがやる気を向上させます。
人間の体型は、100人いれば100通り違うものです。それを知恵を出して考え、判断して実行する。初歩の時からそういう学習をしていて初めて本当の和裁士になれるのです。
ところが、分業で和裁を覚えていてはいつまでも同じことしかできず、微妙なことが身につきません。
考える必要のないぶん楽かもしれませんが、それでは「機械」になりさがってしまいます。常に考えながら和裁をするのが真の実力ある和裁士であると本校は考えています。
将来、きもの業界でホンモノのプロとして仕事をするには、「一級品」と「粗雑品」を見分けるために必要不可欠な能力。本校ではそのような高級教材を無料で支給しています。 1年次から高級素材を扱うことで、本物を見分ける確かな目を養うことができるのです。
さらに上級生になると、国宝級の反物を、細心の注意とその時点で持てる技術を最大限に発揮しながら仕立てます。 完成したときの感動が、将来和裁の仕事に対する自信と誇りにつながります。
反物には、素材と染などによって廉価品から高級品まであります。
一般的には高級な反物は「オーダーメイド品」として、廉価な反物は「既製品」として仕立てられます。
本校が使用しているのはオーダーメイド教材で、個人の体型に合わせた着やすいきものを仕立てる実力を習得することができます。 どんな教材を使っているかが技術の差につながり、学校のレベルの高さを証明しています。
着る人を十分満足させてこそ、一流のプロ和裁士。
普段着としてきものを着る人が少なくなった現代、「満足度=体型に合った着やすさ」であることは明白です。 これからの時代のニーズに応えるためには「着やすさ」の追求こそが最も重要な課題です。 個人の体型にピッタリと合って着くずれしないこと、それが「着やすさ」の条件です。
だからこそ、本校では「教材」にこだわり、全て「オーダーメイド品」を使用しているのです。
「教材無料支給制度」による支給教材を仕上げることに応じて、学生には「修学助成金」が支給されます。
学生にとっては、実質的な学費負担の軽減となっています。
和裁特別専門学科:80~90%
和裁テクニカル学科:10~20%
きものトータル学科:0~10%
本校の和裁実習教室は全室、畳の教室です。畳を採用している理由は大きく2つあります。
1つ目の理由は、国家資格の「和裁技能検定」で、実技試験が畳の上で行われるためです。
普段の授業から畳の上で和裁をすることに慣れることで、本校の学生たちは国家検定であっても大きな緊張や不安を持たずに臨むことができます。
「いつもと違う環境になるので、畳に慣れるための国家検定対策をする」のではなく、日々の実習がそのまま国家検定対策にもなっているので、無駄なく技術向上に打ち込むことができます。
2つ目の理由は、失敗するリスクを減少させるためです。
和裁では、生地である反物(たんもの)を丁寧に扱うことにも常に気を配る必要があります。
反物は元々の状態では12m以上あり、裁断をした状態でも自分の両手よりも長いことがほとんどです。
気をつけているつもりではいても、自分の手元に集中するあまり、反物の端や落ちた反物が自分の足元に行き、ちょっとした拍子でイスを引いた時に…
想像したくはありませんが、起こる可能性は0ではありません。
対策としては、自分の手元と地面(足元)の距離を近づけ、全てが目が届く範囲にある状態にすることです。
具体的には、畳の上に長机を置き、座布団の上に座って縫うという状態がベストです。
机とイスでも和裁はできますが、上記の理由から、本校は畳での和裁実習を採用しています。
ちなみに、正座が苦手な学生は、正座いすを使用しています。足への負担が軽く、綺麗な姿勢を保つことができます。