全国各地に着物の専門学校は複数あります。しかし、入寮できるコースを持つ専門学校となるとかなり少数派です。専門学校で寮生活となると、大きなメリットがないように感じる人もいるかもしれません。しかし、奈良きもの芸術専門学校では実際に入寮できるコースがあり、毎年全国各地から多くの人が受験をしています。今回は寮生活のメリットについて考えていきましょう。
着物に特化した専門学校だからこそ、学べることもあります。着物というものは知られていても、実際に着物をどこまで知っているかと問われると口ごもる人もいるでしょう。奈良きもの芸術専門学校は一般的に浸透していない専門的なことを学び、着物に関するプロを目指していくのです。
着物の文化は1300年ほど続いている歴史ある民族衣装です。その美しさから、世界中の人が着物に注目しています。昔は着物が普段着でしたが、現在は洋装が当たり前です。しかし、大事な場面では必ずといって良いほど着物が使用されています。その代表として成人式が挙げられます。全員が着物というわけではありませんが、着物以外の人は1割から2割程度でしょう。残る人たちはすべて着物を纏い、社会人として自分の心を震わせるのです。
奈良きもの芸術専門学校では、和裁教育指導三本柱という心得があります。美しく着やすい着物、奥深い知識、スピードの3つです。そのどれもが和裁士に必要なことであり、4年間学ぶ上でこれらをきっちりと身体と心に叩きこむのです。着物を学ぶ上で、日本の伝統文化やマナーも学ぶことができます。華道や茶道、マナーは日常生活に必要はないと考えている人もいるでしょうが、華道や茶道では所作を美しくしてくれます。マナーは日常生活の中で一番大切なものと言えます。奈良きもの芸術専門学校では、女性が美しく見られるよう、様々な分野を学ぶことができるのです。
奈良きもの芸術専門学校で取得できる資格の中で、服飾教員認定があります。これは合格すれば准教員として働くことができる資格です。3年次には服飾教員認定3級の資格に挑戦することもできます。この資格を取得して、卒業後に奈良きもの芸術専門学校に和裁教師として就職した人もいます。着物に関わる仕事だけではなく、着物の知識や技術を活かせる様々な分野に羽ばたくことができるでしょう。
寮生活のメリットと聞かれて、一番多い答えは通学が楽になるということです。寮生活であれば遅い時間まで学校に残って勉強をすることもできます。他にも様々なメリットがありますが、それらが何なのかを考えていきましょう。
奈良きもの芸術専門学校では、敷地内に寮があるので通学時間を短縮できます。他の専門学校では寮が学校から離れているなども当たり前です。県外から受験した人にとっては、親元を離れて一人で生活をすることになります。本人はもちろん、県外に子供を出す保護者の不安も大きいものです。奈良きもの芸術専門学校は、あえて敷地内に寮を作ることで通学や帰宅時の危険を避けることができますし、徒歩1分で到着出来るので、本来通学にかかる時間を有効活用出来るのも特長です。
もし、県外から通学制で専門学校に通う場合は、一人暮らしならアパートやマンションの家賃、自宅からの通学なら定期代などの費用面も考えなければなりません。しかし、奈良きもの芸術専門学校の寮は入寮費が7万円であり、寮費は年間たったの18万円です。 食事は、決まったものが出されるのではなく、寮生が自由にできるようになっています。冷蔵庫やガスコンロ、レンジやトースターなど料理に必要なものは揃っていますが、基本的に寮生が自炊、もしくは学校周辺のスーパーやコンビニなどでお弁当を買うというスタイルになっています。以前は食事が出されていた時期もありましたが、全国各地から集まる寮生の食文化やアレルギーなどに対応していくのが難しくなったため、現在のスタイルになりました。寮生からはこのスタイルで良かったという声の方が多くあり、友達同士で鍋をするなど、料理もコミュニケーションを取る手段として用いられています。 この寮ですが、和裁特別専門学科と和裁特別専門研究科の学生のみ入ることができます。たとえ同じ専門学校でも他の学科の生徒は入寮できませんので注意しましょう。
奈良きもの芸術専門学校の寮は、安心と安全をしっかりと考えています。同じ敷地の別の建物に寮の管理人が住んでいるからです。管理人室は必ず誰かが在中するようにしてあり、24時間365日、いつでも電話が繋がるようになっています。体調が悪くなった、怪我をしたなど、深夜であっても対応できるようにしているので、生徒たちも安心して寮生活を送れるでしょう。門限や消灯時間をきっちりすることで、生徒たちの生活リズムが崩れないようにしているのも特徴です。保護者が安心できるように、そして何より生徒が勉強に集中できるように、できる限りのことを尽くして生徒たちをサポートしています。
通学制と入寮/通学選択制、ただ自宅から通うかそうではないかの違いでしかないのではないかと考える人も多数いるでしょう。しかし、両者は様々な点で違いがあります。どちらがいいというわけではなく、どちらにも違った観点からのメリットがあるのです。
通学制と入寮/通学選択制では、学習内容にも差が出てきます。どちらも難易度の高い知識と技術を身に着けるために学ぶことに変わりはありません。しかし、特別専門学科の方は通学制の学習内容と比べて実習時間が多く、更に難易度が上がります。入寮/通学選択制のカリキュラムは基礎縫いから始まり、裁断や標付、縫製、仕上げと基礎の地盤を固めるように段階を踏んで習熟していきます。通学制の学習内容も1年次から技術に入りますが、入寮/通学選択制の方はより多く技術を高める機会が持てるようになっています。
通学制と入寮/通学選択制では、実習で扱う教材にも差が出てきます。どちらもオーダーメイドの教材を使用しますが、通学制学科では個人で準備した教材を中心に扱うのに対して、入寮/通学選択制の学科では学校が準備した無料の支給教材を中心に扱います。一流百貨店・呉服店との産学連携による「教材無料支給制度」という学校独自の制度の利用割合が、入寮/通学選択制学科の方が増えるということです。自分では準備が難しい高級教材を、学費面の負担を軽減しながら学べるシステムです。
通学制と入寮/通学選択制では、修学助成金の支給にも差がついてきます。「教材無料支給制度」により、和裁特別専門コースは1年次からオーダーメイドの高級反物が教材として支給されます。この教材を仕上げると修学助成金が支給されますが、入寮/通学選択制学科の方が高級教材に触れる機会が多い分、修学助成金の支給額も大きくなります。専門学校で学びながら、収入を得られるのでやりがいも出てきますし、学費などの軽減に使用する人もいます。
奈良きもの芸術専門学校で、着物について本格的に学びたい人は入寮/通学選択制のコースを受験してみてはいかがでしょうか。勉強内容の難易度はあがりますが、相応のメリットはあります。寮費も一般的な家賃と比べると低めに設定してあるため、生徒や保護者の負担も最低限で済みます。安全面なども保証されていますし、何より入寮/通学選択制のコースは勉強する時間を多く取れるのが最大のメリットです。本格的に着物の道を究めたいと考える人は、和裁特別専門コースを受験して損はありません。