先日、卒業生の仕事場を見学させて頂きました。
和服を好きな方であれば、企業名をよくご存知の方も多いと思います。
大事なきものを水や汚れから守る「パールトーン加工」という撥水加工技術を持つ、
(株)パールトーンで仕立部に所属している先輩です。
[和裁テクニカル学科卒/西森さん/三重県立名張高校出身]
-以下、卒業生のコメントです。-
全国から集まる反物をベトナムにある自社工場へ送るために、
色柄・寸法・仕立て方などを決められた形式に書き換えた伝票を起こし、
その伝票に基づいて輸出に関するデータを作成することが主な業務です。
仕立ての仕事はお客様と顔を合わせないところに難しさを感じますが、
お客様からお預かりする着物一点一点に想いがあることを忘れず、
仕立て上がった着物に袖を通す人の事を考えながら日々仕事をしています。
今の仕事に必要とされているのは和裁に関する知識です。
専門学校で縫う技術だけではなく、見積もりから仕上げまで一貫して学べたことで、
現在もお客様一人一人の体型や要望に合わせた仕立ての提案に役立っています。
着物の世界は奥が深いです。
(株)パールトーンでは日本全国から着物をお預かりする為、
着物の生地や、仕立て方に関する知識が学生の頃より遥かに深まりました。
これから和裁を勉強する方々には、専門学校でしっかりと基礎を身につけて、
卒業後それぞれの道で着物の文化を守り、伝えられる人になって貰えればと思います。
⇒安心きものパールトーンホームページ
撮影の後、京都の工場内もご案内して頂きました。
代名詞でもある「パールトーン加工」、加工部はさすがに企業秘密とのことでしたが、
パールトーン済のきものに対する検品作業を見せて頂くことができました。
霧吹きで水をかけると、水がまさしくパールのごとく球状に浮き上がります。
「濡れない」というよりも、「はじく」という印象でした。水をさっと拭けば元通りです。
「着る方に優しいのはもちろん、周りの方にも優しい加工」とご紹介を受けました。
大切なお客様のきものに水を零してしまった… そんな時も「パールトーンですので、大丈夫ですよ」の一言で終わる、と。
全国から注文が集まる理由が分かります。本当に素晴らしい技術です。
和服に関わる仕事と言うと、和裁、販売、着付…という仕事が目につきますが、
その裏には西森さんのように、お客様の事を常に考えて働いている多くの方々がおられます。
もちろん、きものの事をしっかりと理解していなければできない仕事です。
1枚のきものには色んな方が関わっていることがよく分かりますね(^^)
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